開発ハンドブック

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トラブルシューティング ​

Gitを使っていると、様々なエラーに遭遇することがあります。ここでは、初心者がよく遭遇するエラーとその対処法を紹介します。

よくあるエラーと対処法 ​

1. fatal: not a git repository ​

bash
fatal: not a git repository (or any of the parent directories): .git

原因: Gitリポジトリではないディレクトリでgitコマンドを実行した

対処法:

bash
# 現在のディレクトリをGitリポジトリとして初期化
git init

# または、既存のリポジトリをクローン
git clone <リポジトリのURL>

2. コミット時のエラー ​

Author identity unknown ​

bash
Author identity unknown

*** Please tell me who you are.

原因: Gitのユーザー設定が完了していない

対処法:

bash
git config --global user.name "Your Name"
git config --global user.email "you@example.com"

3. プッシュ時のエラー ​

rejected - non-fast-forward ​

bash
! [rejected]        main -> main (non-fast-forward)
error: failed to push some refs to 'github.com:username/repository.git'

原因: リモートリポジトリに自分のローカルにない変更がある

対処法:

bash
# まずリモートの変更を取り込む
git pull origin main

# コンフリクトがあれば解決してからプッシュ
git push origin main

Permission denied (publickey) ​

bash
git@github.com: Permission denied (publickey).
fatal: Could not read from remote repository.

原因: SSH認証が正しく設定されていない

対処法:

  1. SSH接続の確認
bash
ssh -T git@github.com
  1. SSHキーが正しく設定されていない場合は、セットアップガイドを参照

4. マージコンフリクト ​

bash
Auto-merging file.txt
CONFLICT (content): Merge conflict in file.txt
Automatic merge failed; fix conflicts and then commit the result.

原因: 同じファイルの同じ部分を複数人が変更した

対処法:

  1. コンフリクトが発生したファイルを開く
  2. コンフリクトマーカーを確認
<<<<<<< HEAD
あなたの変更
=======
他の人の変更
>>>>>>> branch-name
  1. 必要な変更を選択してマーカーを削除
  2. ファイルを保存してコミット
bash
git add file.txt
git commit -m "コンフリクトを解決"

5. ファイルを間違えて削除した ​

対処法:

bash
# 最新のコミットから復元
git checkout HEAD -- <ファイル名>

# または、特定のコミットから復元
git checkout <コミットID> -- <ファイル名>

6. 直前のコミットを修正したい ​

コミットメッセージを変更したい ​

bash
git commit --amend -m "新しいコミットメッセージ"

コミットに含め忘れたファイルを追加したい ​

bash
git add <忘れたファイル>
git commit --amend --no-edit

WARNING

--amendはプッシュ済みのコミットには使用しないでください。履歴が変更されるため、他の人の作業に影響を与える可能性があります。

7. 変更を一時的に退避したい ​

bash
# 現在の変更を退避
git stash

# 退避した変更を戻す
git stash pop

エラーが解決しない場合 ​

  1. エラーメッセージを読む: エラーメッセージには解決のヒントが含まれています
  2. 現在の状態を確認: git statusで現在の状態を確認
  3. ログを確認: git log --oneline -10で最近のコミット履歴を確認
  4. チームメンバーに相談: 一人で悩まず、経験者に相談しましょう

予防のためのベストプラクティス ​

  • こまめにコミットする
  • プッシュ前にgit pullを実行する
  • ブランチを活用して作業を分離する
  • 重要な変更前はgit statusで状態を確認する